※2018年06月16日内容更新

Rlc. Chialin Beauty ‘Golden Eyes’

於：翠香園さん（宝塚）（2008年11月開花、花径約15cm）

Rlc. Chialin Beauty ‘Golden Eyes’

リンコレリオカトレヤ　チアリン・ビューティー ‘ゴールデン・アイズ’

(Rlc. Oconee x C. Waianae Sunset (13/05/1992))

花色＝濃赤紫系（夏期）、赤系（秋～春期）

花径＝13～15cmくらいの大輪系

花型＝整型

弁質＝厚弁

花着き＝やや悪い

着花輪数＝通常１花茎に１～２輪咲き

花期＝不定期咲き

株姿＝普通（葉は大きめで巾は広い）

香り＝強く良い

旧属名表記 Blc. Chialin Beauty、Rsc. Chialin Beauty

　赤花とサンセットカラー系花の重要な銘親同士の交配。

＜個体 ‘Golden Eyes’ について＞

・濃色の花色に、大きなリップの鮮明な黄目が非常に印象的な極美花だと思います。

・かつては国内の蘭園さん数社のカタログにも登場していた優秀花です。

・しっかりと作り込むには、やや栽培技術を要求される個体だと思います。具体的には、「葉が大きめで場所をとる」「日照不足で花芽が着かない場合が多い」「日照不足で生育不良（新芽が大きく成り難い）になりやすい」等の傾向があるように思います。この傾向は温室栽培の場合にはあまり問題が無いかもしれませんが、ワーディアンケース栽培の場合には露骨に現れます。やはり“葉が大きい”ということは“多くの日照を要求する”ということなのかもしれません。

・私は過去数回、この花を入手していながら上手く作ることが出来ずに手放してしまっていますが、そういうところがまた、趣味家魂に火を着けるところなのだとも思います。機会があればまた再チャレンジしてみたいです。

・交配親として使用するだけなら花さえ咲けばよいのですが、あるプロの方の情報によると「交配には満作状態の花を使った方が良い結果が出る（一輪一輪の花の持っている遺伝情報は異なる）」とのことですので、残念ながら、やはり我が家のような栽培条件の悪いところには向かない花なのかもしれません。

・これほど優秀な銘親同士の交配から生まれた品種ですので、たとえば、セルフ実生して新たな個体の選抜を試みるのも面白そうです。

Rlc. Chialin Beauty ‘Golden Eyes’ の親品種としての可能性について

　まず、本種の主な長所と短所について考えてみます。

＜長所＞

・花色が濃い

・リップに大きく黄目が入る

・不定期咲きのため、開花回数が多い等

＜短所＞

・株姿に比して花径14cm前後と、やや小さめ

・着花輪数が１花茎あたり通常１～２輪と少なめ

・開花時の条件により花色が濃くなったり薄くなったりする傾向が強いように思われる（※高温時は薄く、低温時は濃い傾向あり）

・結実する確率がやや低い傾向があると思われる等

　次に、上記の長所を維持、もしくはさらに伸ばし、短所を改良してくれそうな性質を持つ交配相手について考えてみますが、より濃色の赤花を目指すのでしたら原種 C. dowiana（ドウイアナ）の血の濃い、なるべく大輪の黄花との交配が花色に関しては良い結果が出せる可能性が高いと思います。またオレンジ（サンセットカラー）系花を目指すのでしたら、C. Waianae Sunset を戻し交配するとか、なるべく大輪で輪数の多く着く C. Waianae Sunset の直接の子供との交配が面白そうです。