※2017年05月19日内容更新(新画像追加等)
※2017年05月19日内容更新(新画像追加等)
於:2006台湾国際蘭展 画像提供=サンセットさん
リンコレリオカトレヤ チア・リン ‘パウ・チン・ティエン’
(Rlc. Oconee x Rlc. Maitland (01/01/1989))
花色=赤系
花径=13~17cmくらいの大輪花
花型=整型(※栽培条件・環境の影響を受け変化しやすい様子)
弁質=極厚弁
花着き=普通(※ただし、蒸らすと蕾が落ちやすい傾向、日照不足により1輪咲きとなる傾向が強い様子。)
着花輪数=1花茎に1~3輪くらい(10バルブ以内の株では通常1花径に2輪咲き。)
花期=主に冬咲き(※やや不定期の傾向あり。株によって差異があるようで多くは11月下旬から2月下旬くらいまでの時期ですが、夏に開花する株もあります。)
株姿=比較的コンパクト(※ ‘Shin Shyn’よりも小さく、比較的コンパクトで立葉。)
香り=濃厚で、やや強く芳醇で情熱的かつ高貴な印象の甘い香り
・私の大好きな花です!やはり、好きな花に関しては情報が欲しくなるもので、数件の国内業者さんやWebで情報収集をしたのですが、お返事を下さった業者さんからは“秘密が多いのが台湾流”とのことで詳しいことはベールに包まれたままです。上記と重複する内容もありますが、現在、自分の知っている情報を以下に記します。
・本個体の個体名の表記には取り扱い業者によって数種類あり ‘包青天’ ‘Bao Ching Tien’ ‘Pauchiten'(※須和田農園さんのカタログではこう表記され ‘パウチーテン’となっています。) ‘PCT’ ‘P.C.T.’等があります。
・別個体に96年の東京ドームでグランプリを受賞した超有名個体 ‘Shin Shyn(シン・シ)’ SM/JGP'96-JOGA, AM/AOS-OSROC-OIOS 等があります。
・株の強さ・栽培しやすさに関しては、一般的に“強健種”と言われている品種と比較して、強健種を100点すると70点くらいでしょうか?ただ、ある程度の環境適応能力はあるようで、我が家でも年々越冬が楽になりました。
・管理温度は最低気温13度以上が理想。低温にも ‘Shin Shyn’に比べれば弱いように思います。
・花保ちは花びらが厚く良い方だと思います。
・環境悪化により軟腐病などの細菌・バクテリア系の病気に羅病しやすい傾向があるように思います。
・根がやや弱く根腐れしやすい傾向があるように思います。
・シース無しで蕾が上がってくる場合が多いです。
・2025年現在、国内で扱っている業者さんは無いようです。
・類似個体に ‘Red Rose(レッド・ローズ)’ ‘Chang-Tai(長泰=チャンタイ)’ ‘Red General(レッド・ジェネラル)’ ‘The Sun(ザ・サン)’等があります。が、正直、どの個体も花容にやや安定性を欠き、花だけを見て明確に判別するのは非常に困難ですが、私が感じる ‘Pau Ching Tien’と他個体との差異を以下に記します。
Chang-Tai(長泰=チャンタイ)=株姿がややガッチリしている。花径がやや大きい(通常14~16cmくらいの大輪花。大株に作ると19cmくらいにまでなる。)。花型がより整型。
The Sun(太陽=ザ・サン)=株姿がやや小さい。花径がやや小さい(通常12~14cmくらいの中~中大輪花。)。花型がより整型。
(※上記、私が感じる ‘Pau Ching Tien’と他個体との差異は飽くまでも、私の個人的な観察による感想です。)
・ ‘Pau Ching Tien’の比較的コンパクトな株姿や、細めのバルブ、上記のような“栽培しにくさ”は、別個体 ‘Shin Shyn’や ‘Super Gold’等よりも、おそらく先祖の原種 C. dowiana(ドウイアナ) の血が濃く出ている影響ではないかと推察します。しかし一方、C. dowiana の黄色因子の影響も強く発現しているために花色は ‘Shin Shyn’や ‘Super Gold’等よりも紫味が抑えられ、一般的に言われる“真っ赤な薔薇”の赤い花色をも凌ぐほどの、深く緊密で濃厚な質感を持ち、栽培面におけるマイナスを埋めるに余りある美しさだと思います!
※Rlc. Chia Lin の重要な祖先にあたる原種
カトレア ドウイアナ var. オーレア ‘ブルーメン・インセル’
於:世界蘭展日本大賞2017
リンコレリオカトレヤ チア・リン ‘パウ・チン・ティエン’
※2006年に我が家で開花した花です。自然光下での撮影。実際はもっと濃い花色です。植え替えのダメージと長梅雨の日照不足で、こんな感じです(汗)
リンコレリオカトレヤ チア・リン ‘パウ・チン・ティエン’